ヴィンテージの陶磁器・ガラスのコンディションについて
下に挙げたのは主要なものです。それ以外については、各商品のコンディション欄にて、できる限りご説明しておりますが、明記しきれない場合もございます。
北欧ヴィンテージ食器の特性としてご理解いただいた上でお買い求め下さい。
・欠け | ・ヒビ | ・削れ/剥がれ | ・貫入(かんにゅう) |
・カトラリー跡/スクラッチ | ・ペイントロス | ・ペイントのとび | ・鉄分による黒点/茶点 |
・気泡 | ・焼成時の支柱跡 |
・欠け
ダメージによって欠けてしまったものです。
裏の糸底や目立たない欠けは価格への影響は限定的ですが、目立つ欠けやカップ/ソーサー/プレートのフチの欠けはアウトレット価格となります。
・ヒビ/亀裂
特に明記しない限り、爪が引っ掛かるヒビで製造後にできたものです。長いヒビや強度が心配なヒビがある場合は、基本的に販売しません。
短いヒビや釉薬が掛かっていて爪が引っ掛からないヒビ、強度にあまり心配が無いヒビの場合は、アウトレット価格にて販売することがあります。
・貫入(かんにゅう)
陶磁器は素地に釉薬(外側に塗るツルッとした薄いガラス質のこと)をかけて焼成します(釉薬を掛けない器は素焼きと言います)。
その後冷やすことによって縮まっていくのですが、その縮まりの度合いが素地と釉薬で大きく異なる場合に、釉薬に少しずつ入っていく亀裂のことを「貫入」と言います。
貫入はかなり細いヒビですが、そこから水分が染み込んで素地に達することがほとんどです。右の画像のように、水を入れると素地に染み込んで灰色になっているのがわかります。
無色の液体なら乾かせばこの灰色は消えますが、色の付いた液体を入れると素地にその色素が付着し、乾かしても色が定着してシミになることがあります。
また、貫入部分はとても細いため、直接洗うことができないのはもちろん、漂白剤なども浸透しづらいため、一度汚れが付くと落とせません。
あえて貫入を入れて、そこに汚れが付くことで味わい深さを出す作風も世の中には存在しますが、特に白い素地の場合はヒビ状のシミが残念なイメージになるので、まだシミになっていなくても価格を下げて販売いたします。
なお、とりわけ食器類の内側・表面に貫入がある場合は大きく価格を下げますが、食器類の外側・裏面や食器以外の貫入については価格への影響は限定的です。
・カトラリー痕/小傷/擦れ傷
ナイフ・フォークを使ったことによるカトラリー痕や、使用・保管による小傷・擦れ傷です。
光を当てて近くで見ないとわからないものが多く、特に素地の色が薄いと傷はあまり目立ちません。色の濃いものは、傷が白く見えて比較的目に付きやすくなります。
傷の量や目立ちやすさによって価格を変えていますが、擦れやすい外底や目立たない部分の傷は価格への影響はあまりありません。
なお、深い傷の場合は貫入と同様に素地に汚れが付着することがありますが、直接素地に触れられるため、こすったり漂白することで汚れを落とせるケースが多いです。
・微細な点
素地に含まれている鉄分のようなものが原因と思われますが、主に黒や茶色の微細な点が発生する陶磁器が多く存在します。
素材や釉薬などの関係で、青など他の色の点もあります。
数が多いもの・目立つものは価格を多少下げますが、目立たない微細なものは価格への影響はありません。
・焼成時の支柱痕
陶磁器を鉄製の支柱のようなものに乗せて焼成する場合、器と支柱の接点には釉薬が掛からなかったり釉薬が剥がれたりするため、素地がむき出しの部分が発生します。これが支柱痕で、主にソーサー・プレート類に2〜4ヶ所見られます。
また、器の形状によってはフチが支柱との接点になることがあり、左の画像のように削れたようになっていることもあります。
製造上発生するものなので、欠けや削れとは区別して価格への影響はありません。
ただし、そのむき出しの素地部分は汚れが付着するので、見た目が悪い場合は価格を下げます。
支柱痕は決まったフォルムに発生し、糸底には釉薬が掛かっているか糸底自体が無いものがほとんどです。
逆に言えば、糸底に釉薬が掛かっていないものは、支柱を使わずに平置きして焼成したということでしょう。